収穫状況などにより、開園期間や料金が掲載情報と異なる場合があります(予定より早く終了することもあります)。お出かけ前に必ず各園の公式情報をご確認ください。

くだもの図鑑

みかん

ここでいうみかんは、露地で秋から冬に出る温州みかんです。同じ温州でも、極早生・早生・中生・普通(晩生)で出る月と味の傾向が分かれます。園で採る時期は、狩りページの全国目安を見てください。

この果物を狩れる園を探す

山盛りのみかんと、皮をむいたみかん
イメージ画像です。

極早生みかん

極早生は、露地のみかんではいちばん早く店に並ぶ区分です。清水の農協は、日南の系統とゆら早生を9月中旬から10月中旬に出荷し、残暑のころに合う、すっきりした酸味があるとしています。鹿児島県出水の農協は、皮が青い段階で収穫するこの区分を青切りとも呼び、9月から10月上旬に扱っています。

皮が青くても、中では糖が乗り始めているものがあります。福岡県が選んだ早味かんは、9月下旬に糖度が10度、果汁100mlあたりのクエン酸が0.83gで、同じ時期の日南1号(糖度8.7度、クエン酸1.19g)より酸が少なく出荷できます。その時期の着色は10分の3から4で、皮の多くはまだ緑です。日南1号は、和歌山県の調査説明では10月上旬に酸が1%を下回り、中下旬の糖度は10〜11度です。

皮に青みが残る極早生みかん(左)と、全体が濃いだい色の早生みかん(右)
左が極早生みかん、右が早生みかんです。イメージ画像です。

早生みかんと、そのあと

早生は極早生の次で、11月に味がまとまる区分です。清水の農協は宮川早生と興津早生を11月上旬から下旬に出荷し、極早生より甘みが強く、甘さと酸の釣り合いが取れるとしています。和歌山県の説明では、宮川早生の糖度は10月下旬から11月上旬に10〜11度になり、その後も上がります。興津早生は成熟期の糖度が宮川早生より高く、11度前後です。

中生は、そのあいだの区分です。和歌山県は向山温州を中生の代表とし、尾張系の枝変わりで、実は大きくなりやすく、浮皮が出ることがあるとしています。さらに遅い普通温州(晩生)では、青島温州が知られます。清水の農協によれば、昭和10年代に静岡市の青島平十氏が見つけた晩生で、実は平たく、収穫したあと貯蔵すると味が乗り、12月中旬から3月中旬に出荷します。和歌山県でも、林温州や丹生系温州を12月中下旬に収穫し、貯蔵して年明けから春先に出しています。

表面がぼこぼこのみかんがおいしいって本当?

みかんの皮をよく見ると、小さなつぶつぶがびっしり並んでいます。これは「油胞(ゆほう)」という香りの成分が入った袋。JAなどの産地では「油胞が細かく、ぎっしり詰まったものほど甘い」と紹介されていて、近くで見るとぶつぶつして見えるのは、むしろいいサインといえそうです。

ただし、なんでも「ぼこぼこ=おいしい」ではありません。粒が大きくふぞろいで、ゴツゴツ・ざらざらした皮は、大味になりやすいといわれます。そして一番避けたいのが「浮皮(うきかわ)」。皮と実のあいだにすき間ができて、さわるとふかふかするみかんは、味が薄くなりやすく傷みやすいことが研究機関の資料でも指摘されています。

例外が、雨の少ない年にできやすい「菊みかん」。皮が薄く実にぴったり張りついたまま、表面が波打つようにでこぼこしたもので、味が濃いことが多いそうです。

選ぶときは、つぶつぶが細かい・皮に張りがある・同じ品種なら色が濃い・軸の切り口が小さい、の4つをチェック。とはいえ見た目はあくまで目安なので、みかん狩りではいろいろ食べくらべてみてくださいね。

皮の表面につぶつぶが細かく並んだみかん2個
ヘタ側から見た、皮のつぶつぶが目立つみかん
指で持った、皮の表面がぼこぼこしたみかん

品種

名前の付いた品種のうち、区分の目安になるものを短く並べます。糖度は産地と年で動くので、ここにある数字はその出典の調査時点のものです。

丸ごと・皮をむいた・横に切ったみかん
イメージ画像です。

極早生

  • 日南1号

    興津早生の枝変わりです。1979年に宮崎県日南市で野田明夫氏が見つけ、1989年9月1日に品種登録されました。極早生のなかでは樹勢が強く、10月上旬には酸が1%を切り、中下旬の糖度は10〜11度になります。

  • ゆら早生

    宮川早生の枝変わりです。1985年に和歌山県由良町で山口寛二氏が見つけ、1995年9月14日に品種登録されました。実は丸みがあり、10月中旬の酸は1%程度、糖度は10〜12度です。袋は薄く、口当たりはやわらかいほうです。樹勢は日南1号よりやや弱くなります。

  • 早味かん

    福岡県が、ゆら早生の珠心胚実生から選んだ極早生です。9月下旬には糖度10度、クエン酸は果汁100mlあたり0.83gで、同じ時期の日南1号より酸が少なく、糖と酸の比は高くなります。袋は薄く、着色は9月下旬で10分の3から4です。

早生

  • 宮川早生

    在来の普通温州の枝変わりです。大正初期に福岡県で宮川謙吉氏が見つけ、1925年に田中長三郎氏が命名しました。糖度は10月下旬から11月上旬に10〜11度になり、その後も上がります。早生のなかでは樹勢が強いほうです。

  • 興津早生

    宮川早生にカラタチの花粉を交配して得た珠心胚実生です。1940年に興津の試験場(現在の農研機構のカンキツ研究拠点)で選ばれ、1963年7月1日に品種登録されました。交配で生まれた最初の温州で、宮川早生と並ぶ早生の主流です。成熟期の糖度は11度前後で、宮川早生より高くなります。

中生

  • 向山温州

    尾張系温州の枝変わりで、中生の代表です。1934年に和歌山県かつらぎ町で向山博一氏が見つけました。樹勢は旺盛で、実は大きくなりやすく、浮皮が出ます。

晩生(普通温州)

  • 青島温州

    昭和10年代に、静岡市の青島平十氏が見つけた晩生です。実は平たく、収穫したあと貯蔵すると味が乗ります。清水の農協では、露地の普通温州として12月中旬から3月中旬に出荷しています。

出回り

出回り(みかん類)の山は11月〜12月。

  • 出回り・旬 11〜12月(早生みかん)
  • 出回り 9〜10月(極早生みかん)

10月はピーク月の約3割で、山は11〜12月です。9月から極早生みかんが出回り、おいしいのは11月からの早生みかんです。

出回り: 東京都中央卸売市場「市場統計情報(年報)令和7年(2025年)青果・市場統計情報明細データ」。国内入荷数量を月別に集計し、品目ごとのピーク月の6割以上だった月(明細データ)

名産地と出荷量

令和7年産みかんの出荷量は、全国で598,900トンです(概数)。出荷量の多い6県です。

濃い色ほど出荷量が多いです。果物の印は、その県の中心です。

  1. 1位 和歌山県131,800トン
  2. 2位 愛媛県115,400トン
  3. 3位 静岡県81,100トン
  4. 4位 熊本県70,800トン
  5. 5位 佐賀県34,100トン
  6. 6位 長崎県33,700トン
  1. 和歌山県

    出荷量131,800トン全国比 22.0%

    有田など沿岸〜山間で早生みかんが中心。出荷量は全国最多で、狩り園も多い。

  2. 愛媛県

    出荷量115,400トン全国比 19.3%

    段々畑が多く、温州みかんに加えていよかんなど冬〜春のかんきつも厚い。

  3. 静岡県

    出荷量81,100トン全国比 13.5%

    青島温州など、普通の温州みかんの比重が高く、遅めの時期まで味わう系統が目立つ。伊豆・駿河など。

  4. 熊本県

    出荷量70,800トン全国比 11.8%

    早生みかんの比率が高く、秋の早めから旬に入りやすい。

  5. 佐賀県

    出荷量34,100トン全国比 5.7%

    九州では出荷上位。ハウスみかんなど、時期をずらした供給もある。

  6. 長崎県

    出荷量33,700トン全国比 5.6%

    島や斜面の園地が多く、温暖地らしい早めの食べごろが中心。

主産県を調査し、全国値は主産県の結果から推計した概数です。順位は出荷量です。収穫量では長崎県(38,200トン)が佐賀県(37,200トン)より多く、出荷量では佐賀県が上回ります。

出典:農林水産省 作物統計調査 作況調査(果樹)第1報「令和7年産みかんの栽培面積、結果樹面積、収穫量及び出荷量、その他かんきつ類の栽培面積」(概数・令和8年5月26日公表)(統計表)

産地のブランド

出荷量の多い県から、中央果実協会のブランド一覧にある主なものを拾いました。糖度と出荷時期は、その一覧に書かれたブランドの要件です。出荷量の例示は平成19〜20年産なので、ここには載せていません。味まるも味っ子も、熊本ではなく長崎県佐世保市南部のブランドです。

和歌山県
  • 味一

    ありだ農業協同組合有田

    極早生から普通までを含む名前です。ゆら早生と宮川早生は、糖度12度以上・酸度1%以下が基準で、園地を指定しています。出荷は10月上旬頃から12月中旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 味一ゆら

    ながみね農業協同組合下津のかんきつ部会

    ゆら早生だけです。糖度11度以上、酸度1.1%以下(平成21年度から)で、園地を指定しています。出荷は10月上旬頃から下旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • ゆらっ子

    グリーン日高農業協同組合由良の選果場がある特定の地域

    宮川と、中生の向山です。糖度12度以上。出荷は11月中旬頃から12月下旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

愛媛県
  • 浜美人

    西宇和農業協同組合 八幡浜共選八幡浜の舌田、川之石、栗ノ浦

    宮川、南柑20号、南柑4号。糖度12度以上、酸度1.2%以下で、マルチ栽培の指定園です。出荷は11月下旬頃から12月下旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 蜜る

    西宇和農業協同組合 保内共選喜須来、宮内、日土

    宮川早生、南柑20号、在来の温州、普通温州。マルチ栽培で園地を指定しています。出荷は11月上旬頃から1月上旬頃です。糖度の数値は一覧にありません。

    出典:中央果実協会のブランド票

静岡県
  • ミカエース

    三ヶ日町農業協同組合浜松市の三ヶ日

    早生と、青島の普通温州。早生は糖度12度以上・酸度1%以下です。出荷は11月下旬頃から12月上旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 青島誉れ

    三ヶ日町農業協同組合浜松市の三ヶ日

    青島の普通温州で、糖度12度以上・酸度1%以下。木箱で貯蔵したものに限り、3月上旬頃から4月上旬頃に出します。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 寿太郎プレミアム

    南駿農業協同組合沼津市西浦

    寿太郎温州。糖度12度以上、酸度1%以下で、貯蔵庫の検査を2回以上通したものです。出荷は3月中旬から下旬です。

    出典:中央果実協会のブランド票

熊本県
  • 肥のあかり

    熊本県果実農業協同組合連合会県内

    同名の極早生です。糖度10度以上、酸度1%以下のマルチ栽培で、園地を指定しています。出荷は9月中旬頃から下旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 肥のさきがけ

    熊本県果実農業協同組合連合会県内

    豊浦、日南、上野。糖度11度以上(10月中旬以降は11.5度以上)、酸度1%以下のマルチ栽培です。出荷は10月上旬頃から下旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

佐賀県
  • さが美人

    佐賀県農業協同組合県内

    極早生から青島などの普通まで幅があります。糖度は月の数字に1を足した値以上(10月なら11度)、酸度1%以下です。マルチを、指定した日までに掛けた園に限られます。出荷は9月中旬頃から3月頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

長崎県
  • 味まる

    ながさき西海農業協同組合佐世保市南部

    極早生の上野・日南から、早生、中生、普通までを含みます。糖度12度以上、酸度1%以下のマルチ栽培で、園地を指定しています。出荷は10月上旬頃から2月中旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 味っ子

    ながさき西海農業協同組合佐世保市南部

    宮川、原口、興津と、させぼ温州、大津。糖度13度以上、酸度1%以下のマルチ栽培です。出荷は11月上旬頃から1月中旬頃です。

    出典:中央果実協会のブランド票

  • 出島の華

    全農長崎県本部離島を除く県内

    させぼ温州です。糖度14度以上、酸度1%以下で、マルチの指定園に限ります。出荷は12月上旬から1月中旬です。

    出典:中央果実協会のブランド票